2.1 救急医療および周産期・小児医療分野における勤務実態の変容
医師の働き方改革の推進は、勤務医の健康確保と持続可能な地域医療提供体制の確立という二つの要請の均衡を図る過程において重大な局面を迎えている。地域医療機関においては特例水準の適用などを通じた激変緩和措置が講じられているものの、客観的な労働実態の把握や業務プロセスの改善は喫緊の課題となっている [1]。特に小児医療や救急医療などの高度急性期を担う部門では、制度改革の導入に伴い過度な時間外労働が全体として是正されつつある一方、若手医師や特定専門分野の従事者においては依然として高い業務負荷が継続している実態が確認されている [2]。こうした負担の偏在を解消するためには、個別医療機関内の労務管理にとどまらず、地域全体における医療機能の分化と連携、ならびに多職種協働による業務移管を体系的に進めることが不可欠である。