形式的適合と内部質保証の実質化をめぐる課題
認証評価制度は私立大学に対して客観的な自己点検を促し、社会に対する説明責任を果たさせる有効な枠組みであると肯定的に捉えられることが多い。しかし一方で、質保証という概念そのものは多義的であり、実質的な教育改善を伴わない形式的な手続きや象徴的な流行へと形骸化する危険性を常に内包している(Quality Assurance, a “Tricky Theme”, 2025)。大学組織が外部評価機関の基準に対する機械的な適合のみを目的化する場合、膨大な評価書類の作成作業が教職員の研究教育活動を圧迫し、現場における主体的で持続的な改善意識をかえって阻害してしまう。したがって、認証評価を単なる受動的な監査対応として終わらせるのではなく、学内におけるインスティテューショナル・リサーチ(IR)を介した教育データの収集・分析・報告体制を高度化し、自律的な内部質保証を実質的に駆動させることが求められる(Foundations of Academic Accreditation, 2025)。制度的な評価という外圧を契機としつつ、自学固有の建学の精神や教育理念に根ざした自律的改善サイクルを機能させてこそ、私立大学における教育の実質的な質向上が真に達成されるのである。