ソーシャルメディア利用とメンタルヘルスの相互作用
ソーシャルメディアの利用が青年のメンタルヘルスに及ぼす影響をめぐる議論では、利用時間の長さという量的指標のみに焦点を当てるアプローチの限界が顕著になっている。長期的な追跡研究においては、スクリーンタイムそのものが青年の心理的苦痛を直接的に増大させる決定打とはならないことが示唆されている (Coyne et al., 2020)。さらに、青年期のメンタルヘルスを規定する複数の変数を包括的に検証したネットワーク分析でも、プラットフォームの利用時間は幸福度や抑うつに最も影響を与えにくい要素の一つとして位置づけられている (Time spent on social media among the least influential factors, 2023)。したがって、本研究の文脈において重要なのは、単なる利用時間の抑制ではなく、オンライン空間における他者との比較や自己呈示の性質といった質的プロセスの分析である (Social Media and Youth Mental Health, 2026)。青年がどのように他者と接続し、どのような自己認識を形成しているかという認知的文脈こそが、心理的健康を左右する本質的な焦点となる。