2.3 効用関数およびDEAモデルに基づく送配電投資効率性評価手法の構築
電力市場改革の進展と脱炭素化投資の加速に伴い、送配電網の設備計画および投資効率性の定量評価には、制度的・技術的不確実性を適切に処理する計量モデルが求められる。本研究では、市場自由化と炭素政策の複合的影響をシナリオ群として設定したうえで (Tang et al., 2019)、送配電プロジェクトの投資順序決定に効用関数に基づく総合指標体系を導入する (Wang et al., 2018)。この手法は、電力需要の変動性や投資リスク選好を多属性効用理論によって定式化し、送電容量拡大に伴う期待効用を最大化する投資経路を導出する。さらに、送配電企業の運用実績評価には、確率的フロンティア分析(SFA)を組み込んだ3段階データ包絡分析(DEA)モデルを適用する (Zhao et al., 2019)。本アプローチは、マクロ経済環境や政策要因といった外生的環境変数および統計的ノイズを第2段階で分離・除去することにより、純粋な技術的効率性および規模の効率性を偏りなく計測することを可能にする。これにより、GX投資が送電網インフラの生産性に及ぼす実質的寄与度を厳密に同定する分析基盤を確立する。